前回のつづきとなります。
1年半前に開催された「第4回フランスピアノコンクール」の褒章での出演となった娘が、この日のトップバッターでした。
演奏曲
クープラン 前奏曲第1番、第2番
J.S.バッハ 平均律クラヴィーア曲集第1巻 第14番
ショパン エチュード op.10-8
「フランス音楽留学生〜」というコンサートの主旨に合わせて選曲したクープランは、ラモーとともに17世紀後半-18世紀前半 バロック期のフランスを代表する作曲家で、この前奏曲は、チェンバロの先生からもおほめにあずかる(らしい)娘のレパートリーの一つ。
次に弾いた、同じバロック期のドイツのバッハは、クープランとの音色の変化に工夫がありました。
ショパンは、音は美しく響いていてよかったのですが、もっと思い切って若々しく弾けてもよかったか…とも。
コンクールや発表会は、演奏や舞台の上で起こるすべてのことが勉強で、基本的に<自分の修行の場>、ある意味失敗しても成功しても自分の責任ですが、コンサートは入場料を払ってお運びくださるお客さまと時間と空間を共有し、お返しする気持ちで演奏をする。
コンサートの準備に臨む娘には、この違いをよく理解して、お客さまによろこんでいただけるように、普段から一音一音に心をこめて練習してみては、と話をしました。
当の本人は、久しぶりに人前で弾けることと、はじめての<ライブ配信>も楽しみで、本番前からわくわくしていたそうです。
そして、終了後に思いがけず出演料を頂戴し、これが彼女にとって記念すべき「初仕事」となりました。
この夏は、例年夏休みに行っていたおさらい会ができなかった分も、オンラインレッスンに力を入れ、ヨーロッパの文化・芸術の大パトロンであった「ハプスブルク家」に関する本をまとめて読むことが出来ました。
また、欧州各地で行われた<夏の音楽祭>は、ネット配信をしてくれるので、音楽を鑑賞しつつ、世界の人たちの生の音楽に接する喜びにあふれた表情なども見ることができました。
stay homeという生活でも、音楽を楽しみたいという思いを止めることはできません。
楽器に触れたり、音楽を聴いたり、時には生の音を聴けるコンサートにも足を運ぶなど、自分にとって親しみやすい方法で、これからも音楽を身近に感じていたいと思います。
コロナ禍において、きめ細やかな感染対策を講じてコンサートを開催してくださった日仏文化協会には、心から感謝申し上げます。