伝統あるフランス語学学校として知られる日仏文化協会は、日仏文化交流、留学支援とともに、コンサートや海外から招聘された教授によるマスタークラスなどの音楽事業にも力を入れていらっしゃいます。
今回のコンサートは、協会のサポートでフランスへ音楽留学された方々と、1年半前に開催された「第4回フランスピアノコンクール」の優秀賞受賞者の演奏で、協会内に併設された、響きが良くモダンな<汐留ホール>で、8月15日(日)に開催されました。
<出演>
澤田乃絵 pf. *
澤村果林 pf.
竹森ゆきえ fl. 有本紘子 pf.
藤澤亜理紗 pf. *
星野紗月 pf.(即興演奏)
眞木茜 sop.
*コンクール受賞の褒章として
印象的だったのは、即興演奏の星野さん(パリ国立高等音楽院のピアノ即興科卒業)の演奏です。
お客さまから出されたいくつかの「テーマ」を元に、その場で音を生み出だす即興演奏。聴き手に語りかけるようなフレーズと、フランスの近代和声と思える響きの中で、テーマが浮かび上がっては変容していきます。即興演奏を聴くことの楽しさを存分に味わいました。
私も、以前は人前でも即興演奏をしていましたが、今は生徒さんの曲への興味や理解を促し、特徴を捉えさせるために、レッスンの中で即興的な試みを扱うことがあります。
「このメロディにつける左手のパート、もしバッハなら?ショパンなら?こんな風に作るかもしれないよ?」
「ここの音、普通ならこんな感じに進行すると思うの」と、私が譜面にない音を弾く。
「でも、この作曲家はこんな音を使ってる。どんな風に違うかな?」
たった一つの臨時記号の重要性や、和音がもたらす全体への劇的な変化に気づいたりします。
日々、弾かなければ衰えるピアノの身体的な技術と違って、作曲の分野である即興は、その人の音楽知識、センス、空気を読み取るチカラ.…年齢を重ねるからこそ、出せる音も案外あるのかもしれません ^ ^
なんだか、自分の話になってしまいました。
久しぶりに聴いた生の音楽に、心がほっとしながらも、刺激となる時間でした。
その②に続きます